平家物語 巻第一

殿上闇討The Plot in the Courtiers' Hall

訳文の段落を押すと、原文と英訳が開きます。開いた訳文の下線の語句を押すと、原文と英訳の対応する箇所に印がつきます。原文や英訳の語句からもたどれます。

解説

「伊勢平氏はすがめなりけり」は、伊勢産の酒瓶「瓶子(へいじ)」と「平氏(へいじ)」、粗末な酢瓶を言う「眇(すがめ)」と忠盛の斜視とをかけた悪口です。英訳では掛詞が立たないので、ウェイリーがよくするように、語り手が「これを説明するには」と口をはさむ形で、英文の中に説明を織りこみました。

五節の歌「白薄様、こぜむじの紙…」は、意味よりも調子を楽しむ囃子詞と考え、品物を並べた歌として訳しました。「播磨よね」の歌は、家成が忠雅をはなやかに飾り立てたのを、播磨守の財力が人を磨き立てると揶揄したものと解し、そのことも英文で補っています。「とくさ」(砥草)も「むくの葉」も、物を磨くのに使ったものです。

「豊明の節会」は新嘗祭の翌日の宴なので、英訳では Harvest Banquet(収穫祭の宴)としました。「うつぼ柱」は清涼殿の雨水を落とす中空の柱です。